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齋藤絢 ゼミ


国際日本文化ゼミナール

・担当者:齋藤 絢(国際日本学科・准教授)
・専門:比較文化、韓国地域研究、日韓文化関係、民衆文化研究
・ゼミナールのテーマ:「世界から視た日本,日本から視た世界」

ゼミナールの概要

「国際日本文化ゼミナールⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ,段階的な学びの先にある‘研究テーマ’」
 世界にある言語の数はおよそ5000言語から7000言語ほどあると言われています。専門家によって言語のカウント数が異なることは、ある地域の言葉の機能や規則性、言葉のしくみを捉えた時に、その地域に存在する言葉の多様性を一つの言語として集約できるかどうかという議論の難しさに繋がります。その議論の難しさの果てには、文化が似ていて嬉しい、違うから面白い、と感じる楽しさがあるのだと思います。また、それらは世界に広がる人々の価値観・思想が実に多様であることを示しています。「文化圏」という概念が存在するのは、人々の暮らしのなかにある文化の共通性を映し出す一方で、文化圏の狭間にある思想や慣習のズレが人々に対立をもたらし、怒りや悲しみから摩擦や対立を引き起こしたりもします。
 国際日本文化ゼミナールでは、日本を主体に、世界にある文化の多様性について考え、実社会での人々の暮らしのなかにある価値観・精神性を捉えます。世界に広がる文化圏を視野に入れ、ゼミ生一人一人が主体的に、自発的にテーマに向き合いながら思考を深めます。ゼミ担当教員の専門が日韓文化比較、韓国の地域研究にあることから、日韓関係、韓国文化、韓国地域研究に興味のある学生が集まります。日本と世界を客観的に、また複眼的に捉えられる人になりたい学生たちが活発に議論できる場所です。
 国際日本文化ゼミナールⅠでは、日本国内にある地域の多様性に着目し、文化的な観点から地域的の特徴を捉えます。そして、次のステップとしてゼミナールⅡで国際社会に視点を配り、世界の地域社会で生成される文化と日本の文化的な特徴とを比較します。文化が「似ている」、文化が「異なる」とはどのようなことなのかを、文化の理論を用いて考えます。文化に関する文献紹介、文献購読、ディスカッションを通じて、世界で起こる時事的な社会問題を例に挙げながら、批判的思考をもってテーマを丁寧に解きほぐし、課題を多面的に捉える力や情報を収集し整備する力、物事を体系的に説明し自身の考えを表現できる力を育みます。
 ゼミナールⅢ・Ⅳでは、ゼミ生一人一人がテーマを持ち、文化研究レポートを執筆します。研究計画書を作成し、各自のテーマにあった調査方法をゼミ全体で考えます。テーマによっては、量的調査によって意識の状態や言動の傾向を測ることが適切な場合もありますし、数値化されない人々の深層的な心の働きを捉えることが適切だと判断すれば、インタビュー調査や参与観察などの手法を取る場合もあります。数回にわたり調査報告をおこない、ゼミ生みなが議論を交わして、最終的に研究レポートとしてまとめ、考察結果を示します。
文化研究レポートのテーマ例
・「よさこい文化の魅力と未来」(2024年度卒業生)
・「映画予告に映る文化の違い―日米韓の予告コンテンツ比較―」(2024年度卒業生)
・「日本庭園から読み解く日本人の自然観・美的感覚-日本庭園とフランス庭園との比較研究を通して―」(2024年度卒業生)
・「沖縄とオーストラリアの産業の発展と海洋資源の保護~サンゴ礁を守ることはできるのか~」(2023年度卒業生)
・「富山・愛知における仏壇研究―高岡仏壇と名古屋仏壇の文化比較を通じて―」(2023年度卒業生)
・「現代日本における結婚観」(2023年度卒業生)

 また、国際日本文化ゼミナールでは、学生間の交流を大切にします。ゼミは学術的な交流の場だけではなく、ゼミ生にとっての「居場所」(ホーム)として、温かい場所であってほしいと思っています。ちょっとした悩みごとから、就活や進路、10年後の自分、この先の人生など、テーマの規模は様々ですが、気負わずにいろいろなことが話せることもこのゼミの魅力です。各学年でおこなう学外文化研修や季節のイベント、研究成果報告会など、学年を交えて楽しい時間が共有できます。
文化研修・例
・2022年度2期「ミュージカル鑑賞」
(実施場所:名古屋市内,テーマ:文化の大衆性と舞台空間)
・2023年度1期「京都文化研修」
(実施場所:京都・嵐山,テーマ:懐石料理と盛り付けの美学)
・2023年度2期「京都文化研修」
(実施場所:京都・嵐山,テーマ:和菓子づくり体験から考える色彩・かたち・味と文化の継承性)
「文化ゼミを楽しく感じる‘体系的な学科文化科目’」
 学科ではゼミが始まる3年次までに、基礎的な文化科目を段階的に学ぶ機会があります。特に1年生の必修科目「日本文化論」や「日本論入門」では「文化とは何か」「何が日本文化に該当するのか」という批判的思考をもって、日本的、国際的、世界的な視野で文化を考えることの意義についてじっくりと考えます。日本から視た日本文化、世界から視た日本文化とは何か、という視点を大切にしています。そして、2年生以降のコース科目で、文化を様々な領域から捉えます。現代的な文化、近代化によって生成され変化する文化、外交・政策的な視点から捉えた文化、異文化接触の理論から捉えるコミュニケーションと文化の相関性などです。しかし、これらのコース科目で扱う文化科目は、あくまで受講者に対して教員が投げかけるテーマがあり、それを解きほぐしながら、教員の問いかけがあり、受講者全体が理解度をあげていけるような授業を展開します。
「‘自分自身との対話’ ‘仲間との議論’,ゼミの楽しさはここにある!」
ゼミの楽しさは、どんなところにあるのでしょうか? 
ゼミの楽しさのなかには、「なぜ」「どうして」と抱く疑問に対してたっぷり考え議論する時間にあるのではないかと思います。大学3年生、4年生は、この先の未来を大きく切り開く時間でもあります。自分が抱いた疑問と、その疑問に対して「自分なりの答えを創り出していく」過程のなかで、自分をどう成長させたいのか、社会でどう生きていこうとするのか、心の成長をじっくり感じるところにあります。
文化ゼミナールに所属するゼミ生たちは、皆それぞれのテーマを持っています。国家間にまたがる政治問題、観光資源の保護、ホスピタリティにある非日常性、食の大衆化、日本の各地域にある伝統的慣習とその継承性、安楽死・延命治療を通じて見えてくる死生観など、テーマは実に多様です。自分自身と向き合う大切な時期に、「テーマ」を持って取り組んでみましょう。物事に対して自分がどのような視点を持つのか、どんな風に感じるのか、テーマについて議論してみることで、周囲の意見が刺激となり、物事への見方・考え方が変わっていきます。「変化」と「自己成長」が感じられること。それがゼミの楽しさです。

ゼミによるゼミナール紹介

文化研修(京都)

宇野恭花さん
齋藤ゼミでは、他の国や地域との比較を通して、日本を中心とした「文化」に対する理解を深めています。文化に関する文献講読やプレゼンテーションを行うだけでなく、学外研修や他学年との交流会を通して、文化を理解、発信するために必要な視野を広げていきます。「日韓の食事と運動習慣」「長良川の鵜飼文化」「コーヒー文化の多様化」など、扱う研究テーマは実にさまざま。ユニークな視点を持った仲間や先生とともに、自分なりの「好き」や「疑問」をとことん追求できること、それが齋藤ゼミの特徴です。

松坂まりあさん
私は、韓国のアイドルを好きになったことがきっかけで「コンテンツやコンサートのMCなどで何を話しているのか理解したい」と思い、韓国語を勉強し始めました。勉強を進めていくなかで、徐々に日韓文化の違いに興味が湧き始めました。最終レポートでは、韓国旅行で発見した日韓の違いについて比較する予定です。学生のペースに沿って議論したり、レポートの執筆作業に取り組める時間が多くあります。